障がいのある方のための
デジタル人材育成
長期インターンシップ
企業のDXを推進していく
デジタル人材を育成する
インターンシッププログラム
KindAgent株式会社は、情熱とアイディアで障がい者雇用の新しい価値を創造することを目指すスタートアップです。
私たちのご提案する「デジタル人材育成インターンシップ」は、障がいのある方ひとりひとりの個性を尊重し、デジタル人材として育成していくプログラムです。
インターン期間は数週間から数か月まで。
リモート開催なので、全国からご参加いただけます。
IT学習の専門家、精神科医など複数分野のプロフェッショナルの力を組み合わせた独自の人材育成プログラムをご用意しています。
いまの社会で強く求められているITスキルを獲得し、企業のDXを推進させる「デジタル人材」を目指して、インターンシップに参加してみませんか?
インターンのご案内
デロイト トーマツ グループ
デジタル人材育成 長期インターンシッププログラム
「Diverse Abilities Internship Program」
※第三期生の募集は終了しました
「挑戦するすべての人へ」—KindAgentが障がい者のデジタル人材育成を実現するまでの道のり
KindAgentは、デジタル技術を活用した障がい者向けインターンシッププログラムを立ち上げました。このプログラムは、障がい者にITスキルの獲得機会を提供しながら、心理教育やキャリア教育の機会も図り、真に職場でのデジタル人材としての活躍をサポートする革新的な取り組みです。創業者の茅原氏は、「障がい者の就労機会を増やしたい」という熱意を語り、立ち上げまでの過程には多くの試行錯誤がありました。
多様性とインクルージョンを通じた障がい者雇用の新たな形 – KindAgent株式会社の挑戦
プロジェクトの背景にある思い
もともと私が障がい者雇用のこの業界に入ったきっかけは、我が子が生まれてくるというライフイベントがきっかけでした。自分自身の生い立ちからの原体験として、”親がどのような生き方をしているか、どのような仕事を日々しているか”ということが、我が子にとって非常に大きな影響を与えることを感じていました。
そうしたことから、実際に我が子が生まれてくるという際に、”我が子に対して自分自身がどのような親でいられるか、どのような姿を見せることができるか”を真剣に考えました。そして、その当時働いていた人材業界という中で、とりわけ働くことの多様性に大きな課題を抱えていると当時より認識していた障がい者雇用という業界に身を投じることを決め、その中で何か一つでも社会の役に立って行くという姿を我が子に見せることができればと思い、この世界に入りました。
障がいを超えた共存社会の実現
障がい者雇用の世界に入り、多くの障がい当事者の方々とお会いし、さまざまなお話を伺う機会を得ました。私自身がその経験を通じて感じたことは、”「障がい」というものは個人に由来するものではなく、身体や心の特徴の一部に過ぎない”ということです。つまり、常に「障がいがある人」が存在するのではなく、「障がいが生じる場面」があるのだと考えるようになりました。
どのような人間であっても、そうした障がいが生じる場面に直面することがあると思います。そうした前提に立ち、多様な人々が支え合いながら共存し、お互いに必要な努力を怠らず、それぞれの立場でできることを行っていくことが、何よりも重要だと考えるようになりました。
障がい者雇用の新しい課題
一方で、障がい者雇用を取り巻く状況は、ここ数年で大きく変化していると考えています。特に大きな変化としては、これまで障がい者雇用で一般的だった定型的な事務作業が、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により自動化され、そうした仕事が次々と無くなっていることです。この変化は障がい者雇用に限らず、DXの大きな波の中で様々な業務が影響を受けている中の一例ではありますが、障がい者雇用もその影響を大きく受けています。
その結果、障がい者雇用を維持するために一部のルーチンワークがあえて残されるケースや、農園型の新しい障がい者雇用の形態が進んでいる現状も見受けられます。しかし、先進的なIT技術やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの技術を学びたいと考える障がい当事者の方々が、学びへと挑戦する機会やスキルを習得する機会が非常に限られているのが現状です。実際に、そのような技術を活用して実務を担っている障がい当事者の方は非常に少ないとも感じています。
一人の若者との出会い
そんな中、とある教育機関の関係者から、障がいを持つ若者たちの現状について貴重な話を伺う機会がありました。若者たちは学生という立場から、就労移行支援事業所(注1)を利用できない、あるいは利用しづらい現状があることや、障がいの内容によってはスキルも意欲もある若者が社会で活躍する機会やチャンスを得るのが難しい、という現実を知りました。
その中で、一人の学生を紹介していただきました。その方は病気により身体的に障がいのある若者であり、”同じような境遇にある人たちにIT技術を通じて貢献したい”という強い想いを持っていました。その方と対話を重ねるうちに、なんとかしてこの方が社会で活躍できる場を作りたい、また、こういった方々が活躍できる社会でありたいと強く思うようになりました。
その方の支援を模索する中で、ある企業の障がい者雇用担当者にこの若者を紹介する機会を得ました。私は、この方がこれまでに学んだことや今後の熱意を伝えるとともに、こういった人材が現状の社会では活躍しにくいという課題も率直にお伝えしました。そして、この方を育て、社会に送り出す仕組みを一緒に作れないかとご相談させていただきました。約一年間、その企業と試行錯誤を重ねた結果、やっと実現したのがこの長期インターンシップです。
公平で公正なチャンスを提供するために
元々は、たった一人の学生をどのように育成できるかという視点から始まったこのプロジェクト。しかし、せっかく取り組みをスタートさせるのであれば、一人でも多くの方にこうした機会を提供できないかという話が持ち上がり、複数名を対象とした長期インターンシップ企画へと発展していきました。
このプロジェクトで何よりも大切にしたい価値観は、”障がいの有無に関わらず、ITスキルや先進技術を自分のキャリアの柱にしたいと熱い想いを持つ人々に対して、公平で公正な人材育成の機会を提供し、彼らが飛躍するチャンスを創出すること”です。この姿勢が、これからの障がい者雇用において最も重要だと考え、クライアント企業ともこの理念を常に共有してきました。
具体的な人材育成型インターンシップの内容を検討するにあたり、障がいのある彼らにとって何が重要で、何が本当に必要なのかについて真剣に議論を重ねました。こうして生まれたのが、「IT学習」「心理教育」「キャリア教育」という3つの柱で構成された育成プログラムです。「IT学習」では、これからの社会で必要不可欠となるデジタルスキルを習得し、問題解決能力を身につけます。「心理教育」では、実際の職場環境で自分の体調をセルフコントロールしながら、就労を通じて健康を維持するスキルを学びます。「キャリア教育」では、基本的なビジネスマナーから長期的なキャリアビジョンの作成までをカバーします。これらの内容をバランスよく組み合わせ、個々の状況に合わせて丁寧に育成を進める工夫をしました。
何よりも大切にしたのは、こうしたプログラムが真に価値を発揮するためには、彼らの可能性を無条件に信じ、愛情を持って応援し、励まし続ける存在がいることです。単なる動画視聴や講義で終わってしまう無機質な学びではなく、愛情を持った人間がエンパワーメントし、実際に血の通った話をしながら互いに心を動かされ、成長していく。そのような世界観を大切にしたいという思いで、このプログラムを作り上げました。
これまでの成果
2023年4月に第1回のインターンシップが開始されて以来、複数の企業で3回にわたり開催され、60名以上の方々がインターンシップを通じて就職を実現しました。
印象的だったのは、エンジニアとして働いていたものの過労でうつ病を発症し、障がい者雇用を目指していた方が、このインターンに参加されたことです。カリキュラムを無事に終えた卒業式で、「障がいを抱えてから、もうITの仕事はできないと諦めていたが、このインターンで再びチャンスを得て、本当に幸せです」と涙ながらに語られた姿がとても印象に残っています。また、就業を果たした方々のほとんどが現在も継続して働いており、それぞれの職場で活躍しています。特に、業務自動化のチームでの取り組みが評価され、社内の年間アワードで表彰されたグループもありました。
このようなお話を伺うたびに、私たちのインターンシップが、参加者の自己理解を深め、デジタルスキルを学び続ける意欲を育み、成長を支えていることを実感します。今後も、さらなる活躍を期待し、彼らの後に続く新たな参加者たちの成長が楽しみです。
これからの展望
KindAgentは、今後も人材育成型長期インターンシップ事業を通じて、障がいのある多様な方々のマインドセット・スキル獲得を促進し、就労機会や社会参画の実現を追求して参りたいと考えています。
人は仕事を通じて辛い思いや苦しい経験、また何かしらの病気の発症などが生じてしまうのも確かではありますが、一方で、仕事を通じて貴重な体験をしたり、かけがえのない仲間に出会ったり、やりがいや自分の生き甲斐を見つけるのも間違いの無い真実です。
Kindagentは、今後も人間と人間が織りなす可能性をどこまでも信じ、多様な人々が互いを尊重しながら支え合い、共に生きていける社会の実現に邁進して参ります。
(注1)就労を希望する障害者であって、一般企業に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う、障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスの一つ
(厚生労働省ホームページより抜粋)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html